セレッソ vs 磐田(ビデオ観戦)

J1 24節 セレッソ 2-0 磐田
磐田がずいぶん変わった。実にあっさりボールを渡してくれるのに驚く。どうしてもかつての憎らしいほど強かった磐田の残像と比べてしまうのでな。
たまたまこの試合が特別悪かっただけなのかもしれない。世代交代の過渡期にある上に、ケガ人が多いという事情も重なっている。ただ山本監督のコメントが、「本心だけは言ってない」こと以外に何も言っていなかったから、磐田がこれからどういう方向へ進んでいくのか見えてこない。いや、それが私に見えないからって誰も困りはしないんだけど、でも「責任は自分にある。選手たちはよくやった」って、ここでそれを言うのは正解なのかなぁ。むしろ「選手ができないんだから、しょうがないだろ」って言いたそうなんだけど。
かつてのようなサッカーを再構築するのか、それともまったく違う形を作るのか。ベテラン選手が経験として持っている、これまで築いてきた財産をどうするのか。今後に注目。
セレッソは、パスをつないで組み立てようという攻撃面の工夫が見られた前半はまだしも、後半は主導権を放棄して、相手がミスしてくれるのを待っていた。かつてはそんなことをすると自滅するのがオチだったのに、そうならなかったのは(磐田のミスを割り引いても)ブラジル人3人の力が大きい。
わかりやすい例は、ゼ・カルロスがクロスを何本もブロックしたこと。ブルーノにしてもファビーニョにしても、相手が次に何をしたいか予測して、的確にそれを防いでいる。ゴール前の危険地帯でも、小さい動きなんだけれど、ちょっと体を当てたり寄せたりして、相手のやりたいことをできないようにして、ミスを待つ。うまい。
おかげでほかの選手も慌てずに対応できていた。ただ陣形はけっこう崩されていたんで、そこを抜け目なく突いてくる相手にどこまで通用するかはわからない。これも注目。
最後にセレッソの下村について。ファビーニョとの連携が良くなって、チームの中でうまく機能している。球際もうまくなった。ただ基本的な体の使いかた、対人でなく自分ひとりの体の使いかた、特に走りかたがヘタなまま。これを改良して(あとロングパスが通せるようになったら)、いい選手になる。ディナモ・キエフに行けというのは冗談にしても、高野進氏には習いに行ったほうがいい。