ツユクサ
これも富貴のミョウガ畑に生えていたもの。花は咲いていなかった。
ツユクサ(露草)
・古名:ツキクサ
・別名:アオバナ、ボウシバナ
・ツユクサ科ツユクサ属
・一年草
・場所:草地や道端など。
・茎:下部は地面を這い、分枝して斜上する。高さ20〜50cm。
・葉:卵状披針形。基部は茎を抱く。
・花期:6〜9月。
・花:朝に咲き、昼頃にはしぼむ。
2枚の苞葉につつまれて、小さな花序が数個付き、1個ずつ咲く。
3数性。3枚の花弁。うち2枚は青紫色でよく目立ち、1枚は目立たない。
6本ある雄しべのうち、花粉を出すのは長く突き出た2本。残りの4本は黄色い仮雄しべ。
4本の仮雄しべのうち3本は短く、1本はやや長い。
花の色素は水に溶けやすく、布染めの下絵などに使われた。
同用途に現在使われるオオボウシバナは本種の栽培品種。
・食用:いためもの、おひたしなど。
・薬用:乾燥した全草を煎じて服用。消炎・解熱や下痢止めに。
『漢方と民間薬百科』(大塚敬節 主婦の友社)
(原本を持っていないので、『土屋薬局 中国漢方通信』の「漢方コラム Vol.48 ツユクサ マルク・シャガール展とともに」からお借りしました)。
それによると、ツユクサの薬効は「結膜炎、ぜんそく、心臓病、はれもの」ということ。
どういう成分が含まれ、どういう機序で効果を表わすのかは分かりません。
その他の情報源
ありふれた草だが、人気があるようだ。
万葉集には、この草を詠んだ歌が9首採られているそうだ。
可憐な花が半日でしぼんでしまうあたりが受けるのか。
取り上げているサイトがいくつかある。
『のこのこ このこ』
「いろいろなツユクサ」(バリエーションを写真で見られる)、「ツユクサの閉鎖花」などのページがある。
『ツユクサの庭』
ツユクサ科の40種を取り上げている。
花のバリエーションが写真付きで解説されている。
おとなしいイメージを持たれているようだが、雑草としてはなかなか手強い。
富貴から前回持ち帰った他の草がすぐに茶色く枯れていったのに、この草だけは緑色を保ったまま、なかなかしおれなかった。
東アジアに広く分布するが、ナイジェリアにも生えていたと『雑草にも名前がある』(草野双人 ISBN:416660385X pp175-6)には書かれている。