アレン インタビュー

2003年前半にセレッソに在籍したクロアチア人、アレン・スタネシッチのインタビュー「セレッソでの苦い4ヶ月 〜 アレン・スタネシッチ インタビュー」を読んで。(『クロアチアに行こう!!』「現地発!!クロアチア・サッカーレポート 27」

アレン自身について語っていることは、割り引いて読む必要がありそう。
じっさい彼がサッカー選手としてどの程度の実力を持っていたか、私は自分の目で見ていないので知らない訳ですが。
「サテでやる気がなくなっちゃった」件は自分に都合が良すぎる気がする。
ふつう第4外国人だったら、サテにいても必死で頑張らないか?
立場、分かってなかったのか?
それともバロンかジョアンは絶対出すって大倉前ディレクターが確約してたのか? あるいはそう取られても仕方のないような話をしてたのか?

冗漫な話の中で、良いところを突いている部分もある。
例えば、日本のサッカーはスピードはあるが戦術がないとか。
ヨーロッパや南米の人から見ると、日本だけじゃなくて、東アジアに共通する特徴なんだろう。たいていそう言う。
私自身、Jリーグからしばらく遠ざかっていると、ガチャガチャやたら早いサッカーだなと感じることは確か。

ただ、「お前が言うか?」って気もする。
選手としてその中にいたんなら、少なくともそのスピードに対応できてから、戦術がうんぬんは口に出してくれと。(いや、対応できてたかどうか分からない訳だが)。
でないとただの言い訳になるだろうって。
それと、日本のトップチームと当たったこともないだろってのもある。
少なくともちょっと前の磐田や今のマリノスに関しては、戦術がないなんて言えないと思う。

もひとつ。
アキが怠け者というのは当たり。
「強い時のアキは最高だ」という、フェアな留保も付いてる。

アキについて私が残念に思うことは、体を作るべきときに作らなかったこと。
しんどい思いをして体を作るべき時期に、それをしなかった。
この点に尽きる。

今は、いつもどこかにケガや故障をかかえたまま、ボロボロになりながら頑張ってる。
それは分かる。
そういうのが受けるのも分かる。
でも、もし過去にちゃんとトレーニング積んできて、ちゃんとケアもしてきて、バリバリの体で今も元気に活躍してくれてたらって考えてみると、やっぱりその方がずっと嬉しい。
うまいだけに、なおさら残念。

アレンについては、「あんた分かってないな」って部分もある。
例えば、「代理人のブカディンの失敗は間違った外国人を推薦してしまったことだ」とか。
あるいは、「セレッソは100万ドルでラデリッチを取るくらいなら、15万ドルでもっと優れたイゴール・チャガリを取るべきだった」とか。

15万ドルで獲れる選手なんか必要なかったんだよ。
安くて実力のある、お得な選手なんかいらないんだよ。
少なくとも一部の人たちにとっては。
アレン、君は、クロアチア人に、それも凡庸な能力しかないクロアチア人にセレッソが払うお金の大きさに驚いてるくせに、日本とその外の世界では金銭の動き方が違うことも、セレッソの一部の人が日本の外の世界と同じ金銭の動きをさせたことも分かってるくせに、肝腎なところには気が付かないんだね。

それと、セレッソに戻りたい気持ちがあるみたいだけど、その可能性はゼロだよ。
喋りすぎたから。