「人間改造なりきりゲーム Faking It」

Discovery Channelの番組。
http://japan.discovery.com/series/serintro.php?id=334

主旨は、短期間で別人になりきることができるか。
挑戦者は、3〜4週間で未知の技術を身に付け、最終テストを受ける。
テストで審査員ににせものとバレなければ勝ち。

今日見たのは、幼稚園の先生が4週間でボディガードになるもの。
面白かった。
もともとの性格と、ボディガードという職業に要求される性格とが、また対極といっていいくらい違うから。
彼女は、文字どおり「虫も殺せない」人。
曰く「他人や動物を傷つけるのは嫌。そんなことをするくらいなら、自分が我慢する方がいい」。
困惑や怒りを笑いでごまかす癖も見える。

案の定、ボディガードになりきるための訓練は失敗続き。
自信をつけさせようと行なった射撃訓練で、逆に泣き出してしまう始末。
コーチ役の人たちも、「こりゃ、大丈夫か」と不安を隠せない。

転機は演技指導を受けた時に来た。
他人の真似をすることで、心理的な抵抗がなくなった。
威圧的な態度も取れるようになった。
自信に満ちた人の真似をすることで、ほんものの自信が生まれてきた。

結局、実戦形式の最終テストでは、3人の審査員全員が騙された。
それどころか、同時にテストを受けた3人の本物を尻目に、審査員全員が挑戦者がベストだったと言ったのだ。
挑戦者の完勝だった。

今日、このゲームに勝つためのコツが分かった。
本物になろうとするんじゃなくて、よくできた偽物になることだ。
(原題がそう言ってるだろってツッコミは受けます)。
前に見た、クリーニング屋で働く人がファッション・スタイリストになる回はそこが違った。
彼女は、その仕事に本気で情熱を燃やすようになっていって、「スタイリストのふりをする」ことはどこかで忘れてしまったようだった。
で、バレちゃった。

この番組のいちばん面白いところは、そうやって別人になっていく過程で、今までとは違う自分を挑戦者が発見することなんだと思う。
成功しようが失敗しようが関係なく、何かを得て元の生活に帰って行く姿は魅力的に映る。
背後にあるのは、「あなたには無限の可能性がある。それを実現するのは素晴らしいことだ」っていう、いかにもアメリカ〜ンな考えなんだろうけど、これだけ楽しそうにやってくれると、「それもいいかも」って思えてくる。