家庭的?

承前。
たくさんの家庭を見てきたけど、幸せな家庭は稀だ。
私もそんな家庭に生きてはいない。
だから私は「家庭的」という文句を良い意味には使えない。

高口 光子『ユニットケアという幻想―介護の中身こそ問われている』雲母書房(ISBN4-87672-157-2)を読んで、いちばん納得できたのがこの点。
ユニットケアで家族的な介護を」なんて、むなしいキャッチフレーズだ。
少なくとも私は、「家族的な雰囲気」の施設なんか嫌だ。
実際の生身の家族は、うっとおしかったり、しがらみが多かったりして当たり前。
親子だから、血が繋がっているから、仕方なく付き合い続けることはあっても、赤の他人とそういう関係に進んで入っていこうとは思わない。
仕事として血の繋がりの無い老人を介護することはできても、実の父母を同じように介護することはできそうにない。
いろんな過去が多すぎて。
自分の家族を考えてみれば、同じように思う人もきっと多いはず。

他にも、この本を読んで、過去の経験をいろいろ思い出したんだけど、それはまたの機会に。