『病牀六尺』

正岡子規『病牀六尺』岩波文庫1984年7月、ISBN:4003101324
病気の時はおとなしく寝ているのがいちばんです。なのに正岡さんったら、寝床から出られないくらい病気が重いのに、読書したり、画集を眺めたり、随筆を書いたり、草花を写生したり、ちっともじっとしてないんだから。そんなことしてると命が縮まっちゃうよ。って、もうとっくの昔、100年以上前にお亡くなりになってるけど。それに、そうやって無理してものを書いてくれたおかげで、いま私がこうして読むことができるんだし。
さすがにまとまった理論展開などはないけれど、光るところがあちこちにある。
例えば俳句論。私はいままで俳句に興味がなく、読んでもさっぱり理解できなかったけれど、この本のおかげでとっかかりができた。
写生ということ。子規には、生活に根ざした、自然への豊富な知識がある。これがなくては、写生は成り立たない。ところがWikipedia正岡子規の項。
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