セレッソvs吹田(生観戦)。

天皇杯準々決勝 セレッソ 3-1 吹田。
こないだのアーセナルvsチェルシー戦の残像がまだ残っていたもんで、目の前でやっている試合がやけにスローに見えて、のんびりした気分になってしまったよ。
今季4度戦って一度も勝っていなかった相手に快勝。気分はいい。向こうの攻撃をやっと抑えられた。セットプレイから失点もしたし、完璧ではなかったにせよ。それと、向こうにはアラウージョと大黒もいなかったけど。(大黒については東京フレンドパークにthx!)
で、だいたい抑えてみて初めてわかったけど(今までの対戦では、バタバタになってるセレッソ守備陣ばっかり見えてた)、吹田さん、攻撃力はかなりのもん。リーグ・チャンピオンもまぐれじゃなかったらしい。
個々の能力も高いが、スペースを作る動きとスペースを使う動きが高度に自動化されている。誰かがボールを持ったら、ファースト・ターゲットはこう動いて、セカンド・ターゲットがこう動いてという約束事が強く共有されている。誰がどのタイミングでフリーになっている(はずだ)というイメージが、ビルドアップからフィニッシュまで、ちゃんとできている。この攻撃はなかなか止められない。
私はいままでそれが、アラウージョフェルナンジーニョ、大黒の3人の間でたまたまできているものだと思っていた。間違いだった。3人のうち2人が抜けても、試合を通してピッチのあちこちでできていた。チーム全体で練習を積んでいないとこうはならない。西野さんには、「ガチガチに守って攻撃はサイド一辺倒」というイメージを持っていたけど、変わったな。
その攻撃をだいたい抑えたセレッソの守備。これは小林さんの教えによるものなのか、それともピッチ上の選手たちがコツをつかんだのかはわからない。印象で言えば、選手たちが勝手に身に着けたもののような気がした。特にファビーニョが帰ってきてくれたのは大きかった。これが布部だったら、想像するのも恐ろしいことになっていたかもしれない。
セレッソの攻撃に関しては、吹田の弱点をうまく突いた。吹田は最終ラインに脆さがある。その前でボールを奪えているうちはいいけど、最終ラインの各選手が、前を向いてボールを持っている者と対峙(ないし追走)しなければならなくなると、とたんに弱さが出る。セレッソの3得点はいずれも、3バックの横にボールが出て中を崩した形。してやったり。
ただセレッソも選手交代はあいかわらずチグハグ。たとえばファビーニョ→藤本の交代。藤本も3-0なら気楽にのびのびやれただろうが、1点返されて2点差になってから入ったのではまったく状況が違う。酒本に代わって入ったゼ・カルロスも本来の良さは発揮できなかった。今日は勝ったから良いようなものの、タイミングのズレ、勝負の機敏への鈍感さが気になった。