富貴は秋祭。

今日も富貴へ。かつて映画館があったというメイン・ストリートで出店の準備をしている。お祭でもあるのかと思ったら、おみこしが2台にだんじりも1台出る本格的なものらしい。担いだり引いたりする人がいるのかと、これはよけいな心配。
昨日はここでもかなりたくさん雨が降ったそうだ。ミョウガ畑に着いたら、ゴボゴボと水音が聞こえる。何事かと溝を見に行ったら、過去最高を更新する量の水(当社比)が流れていた。
前回やり残した1段目の下の斜面もすぐ下まで水びたし。おかげで草刈りは捗ず。この面をきょうクリアするのは諦めた。
かわりに、前回刈ったあとのレタッチ。歩き回って、また花を咲かせているミゾソバを見つけては、刈り取ったり引っこ抜いたり。イタドリも新しい芽を30cm以上伸ばしていてびっくりした。この時期にこんな早さで伸びるとは。イタドリ、必死だな。でも斬る、いや切る。
よく研いだ鎌の切れ味はサイコー。気持ちいいぐらいスパスパ刈れて、楽しくなってくる。やっぱり道具は大事だな。ただ鎌の正しい使いかたは払うのではなく、引くのだと教えられたが(「 非公式日田郡森林作業マニュアル/鎌の使い方」)、ミゾソバのように柔らかい草を刈るときには茎がしなってうまく切れないことがある。そういうときはすばやく払うように切ったほうがうまく切れる。手首を曲げたり反らしたりいろいろ試してみてそう思ったけど、これじゃ不都合なこともあるんだろうか。
続いて水源探査に名を借りた泥んこ遊び。水源探査犬となって、多量の水を含んで、田んぼのようにジュクジュクになっているあたりを調べ、新たな湧き水を4箇所も発見。小さな溝を掘って排水してやると、驚くほどたくさんの水が出てくる。これが全部溢れ出していたら、そりゃ水浸しになるわ。それにしてもこれだけの水がいったいどこから来てるんだろう。ひょっとして一番上のため池の底が抜けているのか?その修復は素人の手には負えそうもないけど、どうしよう。
そんなこんなで午前の部が終了。気温はたぶん20°Cないぐらいで、日も照ったり陰ったりで、畑仕事に絶好のコンディション。昼からはもうちょっと草を刈りたい。昼食はちょっと趣向を変えてビーフンのお弁当。具もいろいろ。うまい。食欲旺盛。真夏よりはるかに食べられる。暑いときはデザートまでたどりつくのもやっとって感じだったからなぁ。「静かねぇ」って相棒が言ったとき、コオロギの鳴き声に聞き入っていた私は「にぎやかやねぇ」。しばらくしてにっこり笑う相棒。意味がわかったらしい。
食べ終えたらさっそく鎌研ぎ。切れる鎌で作業したいもんな。「1時くらいからおみこしが出るから見に行ったらいい」ってTさんに教えてもらったけど、うーん、おみこしってなあ。百舌鳥のふとん太鼓を見てしまった人間としてはあんまり興味が湧かないし、だんじりはもっと興味がないんで、やめといた。
さて午後の部開始。1段目の周囲のうち縦溝のある面で除草。2段目からの縦溝と1段目奥の横溝の合流点が浅瀬のようになっていて、ここもミゾソバがびっしり生えている。水が増えているせいで、ほんとに「こーれーも愛」(愛の水中花ね。前回書いたのは違う曲だった)状態。意地になってむしり取る。ちょうどクレソン(オランダガラシ)の生育に適当な感じなので、少し下流に根付いたクレソンを移植。ここは絶対クレソン畑にしたる。
溝の周りを刈りながら上流へ進んでやっと2段目に到着。いやぁ、見事なミゾソバ畑だこと。白い花が一面に咲き乱れている。ここは大苦戦。鎌で刈り取ろうとしても、びっしり生えたミゾソバに絡みつかれてうまく切れない。くじけそうになったけど、鎌の使いかたを工夫して踏ん張る。
いつもの手鎌を左手に持ち替えて、ひさしぶりに登場のねじり鎌を右手に持つ。(普通の鎌の刃が手前を向いているのに対して、ねじり鎌は首のところでねじれていて、刃が地面のほうを向いている)。左手の手鎌でミゾソバの根元の少し上を切り、手が入る隙間を作る。そこから右手を突っ込んで、ねじり鎌で地面をガリガリ引っ掻く。ブチブチという音と手応えがなくなったら、その上のミゾソバをまとめて取り、丸めこんで足元に置き、踏んづけてちょっと移動。以下、同じことの繰り返し。言葉で説明するほど簡単にはいかないけど、この新戦法を採用して効率が上がった。
2段目は3分の1も片付けられないまま、けっきょく午後の部も終了。でも新戦法とよく切れる鎌のおかげでまた頑張ろうって気になった。1段目にニョキニョキ生えていたキノコと、花を咲かせているキク科の草をお土産に帰途につく。メイン・ストリートはきれいさっぱり片付けられていて、神社の石段下にたむろする中学生数人と、「御神灯」と書かれた提灯以外に祭の余韻を感じさせるものもなかった。