富貴往き。

先週末は行けなかったので、2週間ぶりの富貴。
ミョウガは葉茎が倒れてしまったものが増え、収穫も少なくなったけど、いいのが少し採れた。これは、おいしい塩を付けて、そのままかじることにしよう。
今日は大規模な治水工事。前回以降雨量が多かったせいだろう、今までに見たことがないくらい、溝を流れる水の量が増え、勢いも増し、あちこちが水浸しになっている。そこで新たに溝を掘り、すでにある溝を掃除した。ま、大規模な治水工事といってもその程度です。
水量が増えたおかげで見つけられた水源。1段目と2段目の間の斜面で、どうもどこかから水が湧いてるんじゃないかなと、ミゾソバの絨毯を剥がしながら流れを遡っていったら、今まで気付かなかった地点から水が噴き出すように湧いていた。その水がスムーズに下の溝まで流れ落ちるようにしたかったんだけど、この作業がなんだか考古学の発掘調査みたいになってしまった。というのは、その流れを横切るように、昔だれかが丸太で渡したのだろう足場というか橋のようなものが出てきてしまったからで、できる限りその遺構を破壊しないよう掘り出して全容を明らかにしつつ、今回発見された水源の処理も行なうという課題を自らに課したのだが、要するにやっぱり今度も泥んこ遊びをやっているということです。
さらに2段目にこの春タケちゃんが掘ってくれた溝。いちおう水が流れてはいるものの、倒れこんだミョウガの葉や茎や雑草たちによって流れが悪くなり、上流にあたる2段目の奥がちょっとした池のような水溜りになってしまっていた。この溝を下流から上流へとガシガシ掃除していく。左手に鎌、右手に什能を持って斜面の草を刈り、溝の中に入って草を引っこ抜き、たまった落ち葉をすくい上げる。
ここでサワガニをたくさん見かけた。小さなくぼみでちょっと水流が遅くなっているところに隠れるように潜んでいる。色は、オレンジっぽかったり、赤っぽかったり、緑っぽかったりといろいろ。住んでるところに合わせて色が変わるのかなぁ。溝を掃除していくと、慌てて逃げて行く。「そら、さっさと逃げないとカラ揚げにして食ってやるぞ」と言いながら進んでいく。ひさしぶりに食べたくなったなあ、サワガニのカラ揚げ。ここで養殖するってのも1つの手かな。
今日の富貴はずいぶん涼しくて、今までみたいに暑さで動けなくなるなんてことがない。おかげで作業が捗る。草を刈って刈って刈りまくっていると、だんだん気分が高揚してくる。荒地を開拓する農民は、これを何百倍って増幅した気分を味わっているのかな。開拓なんて、そういう興奮でもないと不可能な仕事だろうから。で、草刈りをしていてちょっとでもそういう気分が出てくるところを見ると、私の中にも農耕民の血が少しは流れているのだろうか。いや、少しどころか、父方は祖父の代まで100%百姓だったんですけど。
2段目の奥まで辿り着いて、Uターンして下流に向かう。溝の中を歩きながら、流れが狭くなっているところ、浅くなっているところ、ゴミがたまっているところを取り除いていく。長靴がダムのような働きをして、その後ろにたくさんの水が溜まっている。その水を従えてズンズン下流へと歩いて行く、このヘンなワクワク感。
スタート地点の1段目との段差まで来たら溝から上がって、それまで後ろについてきたたくさんの水をいっきに解放。ザーザーと音を立てて、濁流が流れていく。「あのカニたちにとっては土石流なみかもしれないなあ」なんて思いながら、その様子にしばし見入る。やっぱり楽しいわ、これ。ほんとに泥んこ遊びのレベルだけど、自然を自分の力で作り変えるって、すごい満足感がある。自然を破壊する罪深き人類の一人なんだと自己を再確認。
ということで最後は、草刈り作業中に私の頭の中でエンドレスで流れている曲(の一部)を紹介して締めくくりたいと思います。題して『草刈りマン』。

草刈りマンが草を刈る
Oh、なんか刈らせろ
なんか刈らせろ
なんか刈らせろ
そんなもんじゃねえ

元歌をご存知のかた、その歌が好きなかた、ゴメンナサイです。