点を取らない黒部は。

いないのと同じ。今日見てて思いました。
黒部はやっぱり不思議な選手。今日のマッチデイプログラムには、「控えに回された理由がわからない」なんてことが書いてあって、まさかと思った。「黒部って、フシギちゃん?」いや、公式見解なんて本心とは違うものだろうから、わかっているけれどあえて言わないんだとそこは考えよう。バロンなんか、セレッソにいる間に、西澤を真似したのか、ずいぶん足技も進化したけど。
それにしても、黒部はどうして点を取れるんだろう。飛びぬけたスピードやキレがあるわけでなし。身長はあるけど、ヘディングはそんなに強くない。むしろヘディングは外したところしか覚えてない。頭はおとりで、足が本命なのかと。オフザボールの動きもたいしたことはしないし。得点シーンを振り返っても、どさくさまぎれに押し込んだという感じの、泥臭いゴールの印象しかない。(記憶に偏りがある可能性は大)。Jが始まった頃の武田を思い出す。
いや、それが悪いんじゃないけど。点を取れるというのはそれだけで価値があるから。ただどういう形でボールが欲しいのか、どういう形でボールを渡したら点を取ってくれるのか、チームのほかの選手もわからないんじゃないかと。で、点を取れなかったら取れなかったで、「今日はチャンスがなかった」で、サバサバしてそうな気がする。使いかたが難しい選手ではあろう。
「自分を必要としてくれるチームで働きたい」らしいけど、そういうチームはいまや少ないだろう。点取り屋一本で生きていくんなら、チャンスでもっと確実に決めるとか、ハーフ・チャンスを1点もののチャンスにするための動きとか、ノー・チャンスをハーフ・チャンスに変えるための努力とか、そういうのも何かないと、この先苦しいんではないだろうか。自分がおとりになって他の選手をフリーにするとか、自分が潰れて他の選手にチャンスを作るとか、そういう発想は彼の中で皆無らしいから。チームの他の誰にもわからない、黒部にしかわからないチャンスの場面以外では、味方の邪魔はしないけど、それ以上のこともしない。どうやらそれが黒部らしいと今日は思った。