トリアゾラム

ベンゾジアゼピン系の催眠薬、超短期作用型。
ハルシオンが発売されたときに乱用が問題になったことを覚えている。やっかいな副作用が出ている人もこの目で見た。だから、あまり注意深いとはいえない使いかたで長期連用している人にはビックリした。
『治療薬マニュアル 2004』(医学書院、2004年2月1日、ISBN:4260105418)にはこう書いてある。


警告!!服用後に、もうろう状態が現れることがある。また、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがあるので注意すること。
【相互】<併用注意>1)アルコール(略):中枢神経抑制作用増強→飲酒回避(略)
【注意】<基本>1.反応に個人差があり、眠気、めまい、ふらつき及び健忘等は容量依存的に出現。少量(1回0.125mg以下)から開始し、観察を十分に行い、増量は慎重に。但し、0.5mgを超えないこと。症状の改善に伴って減量に努める 2.不眠症に対する投与:継続投与を避け、短期間にとどめる→やむを得ず継続投与時は定期的に患者の状態、症状等の異常の有無を十分確認 3.不眠症には就寝直前に服用させる。服用して就寝した後、十分な睡眠時間がとれなかった場合、睡眠途中において一時的に起床して仕事等を行った場合等→健忘発現の報告があるので、薬効が消失する前に活動を開始する可能性があるときは服用させない

注意事項がぜんぜん守られていないのはどうしてだろう。服用が長くなるにつれて忘れられてしまったのかもしれない。

【副作用】<重大>1)薬物依存、離脱症状(大量連用で薬物依存)→用量を超えないように慎重に (大量投与又は連用中の急激な減量ないし中止:痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状)→中止の際は徐々に減量等慎重に (略) 3)呼吸抑制 4)一過性前向性健忘(0.12%)<中途覚醒時の出来事を覚えていない等>、もうろう状態(0.05%)→少量から開始等慎重に
こういう症状が出ていないかを気にしてみる。出ていたら、それは副作用かもしれないと頭に入れておく。3)の呼吸抑制は、睡眠時無呼吸症候群の人に使っても大丈夫か。
早期覚醒型の不眠には不向きのようだが、選択は合っているのか。開始時には適切だったが、その後合わなくなっているという可能性もある。
健忘が起こるのはどういうメカニズムによるのか。これは宿題。夢はどうか、聞いてみる。