千本ノック。

みたいな練習は嫌い。実戦の状況からほど遠く、頭はもうろうとして何が良くて何が悪かったかも考えられず、体もふらふらで身につけた技術の良い部分を出すこともできない状態。そんな状態でひたすら練習したってうまくなりっこない。そんな練習には自己満足以外になんの意味もない。プロなら人に見せるという意味はあるだろうけど。時間がありあまっている人、例えば文系の学生さんなら、ヒマつぶしという意味はあるだろうけど。
ゴルフの練習場なんかで見かけるのは、ヘタなスイングで何百球って打ってる人。そういうのをいくらやったって、ヘタなスイングで打つ練習をしているんだから、うまくなることはない。たくさん打ったという満足しか得られない。ゴルフって少なく打つのを競う競技だから、たくさん打てるようになったってしょうがないと思うけど。
ビリヤードだって、世界一や日本一を目指すどころか、プロを目指すわけですらなく、ほぼ間違いなくこれから肉体的な下り坂をたどっていこうとしている中年が、それでも練習することの意味は、「そのプロセスでどれだけたくさんのことを得られるか」だろう。自分の体と心、その特徴、その強さと弱さに気づき、癖に気づき……。
勝ち負けは大事なスパイスだけど、スパイスでしかない。過程が大事。
(でも勝負にはぜったいに負けたくないオレ)。