野迫川村きのこまつり

野迫川村林業研究会主催 きのこまつりに行ってきた。
今年で3回目か4回目の参加になる。
小学生の作文のようにだらだらと書いてみる。

午前6時半すぎ自宅を出発。
紀見トンネルを抜けて、少し下ったところに気温の電光表示板がある。
ここで相棒と賭けをする。
「ただいまの気温は6.9℃」だった。
これで3連勝。
真夏はいつも20℃を越えていたから、いかに涼しくなっているかがよくわかる。
いやもう寒いぐらい。

高野山に登る道では走っている人や歩いている人をたくさん見かけた。
ゼッケンをつけているのは何かのレースらしい。(あとから『和歌山城高野山往復ウルトラマラソン』だったことがわかる)。
高野山へ向かう車が増えている。
行楽シーズン+世界遺産指定の効果だろう。
中の橋の駐車場で小休止。ここまで2時間足らず。
空気がひんやりして水は冷たい。
まだ眠気が残っていた頭がスッキリする。

高野山の上は地元の人以外 車の乗り入れ禁止にしてはどうかと思った。
自分たちも車で来ているくせに、だけど。
世界遺産に登録されて、訪れる人が増えるのはけっこうなこと。
おかげで観光客相手の商売も繁盛するし、観光客ぬきで高野町がやっていくことは考えられないだろう。
でも上まで乗りつけてくる大型観光バスが増えると、騒音や排ガスの問題も増えるだろうし、あまりに観光地化されてしまうと、霊場の雰囲気というかありがたみもなくなる。
便利なのもいいかもしれないけど、ちょっともったいつけてもいいんじゃないかな。
と思ったら、高野町パーク&ライドをやるらしい。(「高野町 パーク&ライドのお知らせ」)
でも九度山橋河川敷か。ちょっと遠いかな。
上にはそんなに広い駐車スペースがないからしかたないのかな。

龍神スカイラインを鶴姫まで走り、林道に入る。
道端には、ススキが白い穂を光らせている。
山の南斜面に入ってから少し下ったところで、サルに出会う。
4〜5匹はいたかな。真っ赤な顔でこっちをにらみつけて、キーッと吠えてくる。
慌てて車の窓を閉め、ビビる相棒。
最後に野生のサルと出会ったのは小田原に住んでいたころだから、もう15年ぐらい前になるか。
やっぱり野生のサルは迫力あるなぁ。

9時半の受付開始まで30分ほど余裕を残して、会場到着。
既にたくさんの参加者が来ている。今年はみんな熱心な様子。
F家さんちもひとあし早く着いていた。
毎年山菜採りで活躍する高枝切り鋏をなぜか持参している。
アケビの実を採りたいらしい。
そして、さっそく本日の第2食を食べる相棒。燃料補給に忙しい。
朝露のついた草にとまっているトノサマバッタを発見。これもひさしぶり。
寒いのか動きが鈍くてすぐに捕まえられた。
車のルーフに乗せて、しばらくあったまってもらう。
と、なぜか相棒が車の中から飛び出してきた。アレ?なぜだろう?

参加料2500円を払って、受け付けを済ませる。
今までより500円アップ。そのぶん中身が充実していたからかまわない。
さっそく、きのこあてクイズに挑戦。
10種類のきのこがおいてあり、その名前を当てるもの。
シイタケ(特大)、ナメコ、ヒラタケ、ヤマブシタケ、ショウゲンジ、コウタケ、あとなんだっけ。
2つわからないのがあったが、人に訊いたり、図鑑を見て完成。
全問正解のはず。(が、あとの抽選会で不正解のほうが当たる確率が高くなってガッカリ)。
そうこうしているうちに、いっしょに申し込んだ中Tさんご夫妻も到着。

予定より少し遅れてきのこまつり開始。
奈良県南部農林振興事務所から指導に来てくれた方から説明を受け、6班にわかれて入山。
林道から分かれた道に入る。
このまつりのために草刈りをしてくれたようだ。
ススキらしいイネ科の植物をきれいに刈り取って踏み倒したあとが続く。
準備をしてくださった方、ご苦労さまでした。
歩きながらグループリーダの方から話を伺う。
「今年は8月末に毒キノコがつぎつぎと生えてきて、そのあとさっぱりキノコが出なくなった。
おたまじゃくしが春を待たずに泳いでいたりして、気候がかなりおかしい」。
さいきんクマが人里に出てくることが多いが、山に食べ物がなくなっているんでしょうかと尋ねると、
「野迫川では木の実は豊富にできています。
昔だったら入らなかったところまで人間が入り込んでいるのが原因じゃないでしょうか」ということだった。
広葉樹林をたいせつに育てている野迫川村と、針葉樹ばかりにしてしまったほかの土地では、クマの食糧事情も違うかもしれない。
でも、山の奥まで林道を通して、クマの生活を人間が脅かしているのは、どこでも同じようなものだろう。
もともとはクマだって人間のいるところなんかに出てきたくはなかったろう。

今年入ったのは、去年通ったコースより乾燥した場所で、キノコはほとんど生えていなかった。
いつもヘンなキノコばかり採って、鑑定者の方を困らせていたのに、今回はかろうじて、ホコリタケの群生とキホコリタケ、それにカワラタケのできそこないのようなものを道端に見つけただけ。
そして、<お宝>は1本ゲット。
どっちみちマツタケ山に入ったって、私たちでは見つけられっこないんだから、素直に感謝して、いただく。

下りてきたら、F家さんたちは<お宝>ゼロ。
狙っていたアケビも実は成っていなかったらしい。
みんなが下山したところで昼食。
まつたけごはんときのこ汁。うまいっ。ビールもうまいっ!
ごはんを食べながら野迫川太鼓の演奏を聞く。
やっぱりまつりには太鼓だね。
耳で聞くというより、体で感じる。
迫力ある太鼓の音が体にドンドン響いてきて気持ちいい。

小辺路の話。
太鼓の演奏にも入っていた方が語り部をしてくださった。
たくさんの情報を短時間に詰め込んで、かなりのハイペース。
ついていくのは大変だが、ときどき若手漫才師のような口調になるのがおもしろい。
うちへ帰ってから、いただいたパンフレットをじっくり見ながら反芻した。
高野から三浦口までの手書きの地図。
道中のもようがこまかく書き込まれていて、イラストも見やすい。
ぜひ小辺路を歩きたくなった。

この語り部をしてくれた方のサイトを発見。
ようこそきむりんの部屋へ
楽天広場内
写真入りで、きのこまつりの様子も掲載されている。
http://www1.mahoroba.ne.jp/~kimlin-s/kino16/kino16.html
きむよしさん(/ぽーるすたーさん)、楽しい語り部ありがとうございました。

南部農林振興事務所の方による、参加者が採ってきたきのこの説明。
今年はきのこがあまり生えていなかったが、200人もの人間が山に入るとさすがにいろいろ採れるものだと感心。

今年はイベントもたくさんあって、まつりの雰囲気がさらに盛り上がった。
・まつたけの即売会。(参加者殺到)。
・こんにゃく作り体験コーナー。(私たちの女性陣はほぼ全員参加)。
・250グラムぴったりをめざして丸太を切る、丸太切りコンテスト。
・木工コーナー。(T中Tよりんはほぼずーっとここで何かを作っていた)。
・丸太の椅子作り。
・お楽しみ抽選会。(原木栽培の生しいたけを相棒がもらった)。

きのこは少なかったけど、天気にも恵まれ、楽しい1日を過ごせた。
日焼けした顔をほてらせながら、大満足で帰路についた。