『雑草にも名前がある』

草野双人『雑草にも名前がある』文春新書 2004 ISBN:416660385X

雑草のように生きた有名無名の人物と雑草とを重ね合わせて紹介した本。
私にとっては、見たことや触れたことはあるのに、名前や生態の分からなかった草のことを教えてくれたのがいちばんの収穫。

例えばエノコログサ
ちょうどいまごろ猫のしっぽのような穂をつけるあの草。
子どもの頃、手の中に穂を握って「毛虫」って遊んだこともあるし、猫をじゃらすのに使ったりもする。
それほど親しんできた草なのに、名前も知らなかった。

逆に、きっと見たことがあるはずなのに、分からない草もたくさんあった。
いかにたくさんのことを見過ごしたまま、今まで生きてきたか、思い知らされた。

<雑草>なんて人間の勝手な分類です。
エライ人にはそれが分からんのです。