ポルトガルvsギリシャ(テレビ観戦)

EURO 2004 開幕戦。グループA。ポルトガル 1-2 ギリシャ
アンチ・フィーゴの私はギリシャの快勝に喝采
ギリシャの渾身の守りにちょっと感動してしまった。
例えば、クロスやシュートのブロック。
最後までボールから目を離さず、身を呈して防ぐ。
いったいいくつのピンチを防いだだろう。
ボールが蹴られる前に、自分の安全が第一と、さっさと顔をそむけてしまうJリーガーに目が慣れてしまっていたので、新鮮だった。
ギリシャは開幕戦にコンディションのピークを持ってきただろうから、このあとの試合は苦しくなってくるだろうが、なんとか頑張って欲しい。

いっぽう、ギリシャの厳しさに比べると、ポルトガルは攻守両面で甘さが目立った。
身体的なコンディションのピークは、もっと先に持ってくるつもりだろうが、精神的にも緩んだまま、なんとなく試合に入ってしまった感じがする。
このままでは優勝はなさそう。

試合中ずっとギリシャの守備に注目していた。
マンマークをベースに慎重な守り方。マークの受け渡しは少ない。
守備戦術としては古いタイプ。
誰か1人がさぼったり、1対1で負けたりすると(失点前にフィーゴのドリブルで崩された場面)、連鎖的に崩れることもある。 でも、今日のギリシャの守備は最後まで堅くて厳しかった。
大きなミスは1回だけだったように思う。
なんとかペナルティ・エリアの前まで辿り着いても、ポルトガルにはそこから先へ進む手段がなかった。

攻撃側から見ると、こういう守備を攻略するには、スペースを作る動きと、スペースを使う動きを連動させて、ピッチのあちこちで同時に次々とそれを起こすことが重要になる。
ボールのないところの動き。それを連動させること。早い判断、正確なテクニック。そしてムダ走りをいとわない意欲。
どれかが欠けると、しだいに守備の網にからめとられてしまう。

今回のポルトガルは、まんまとはまったパターン。
ポルトガルに足らなかったのは、ボールのないところの動きとその連動性だろうか。
暑さもあったが、時間を追うごとに、チームからダイナミズムが失われていったように見えた。
最後の時間帯、2人にしたフォワードがまったく機能せず、システムが崩れたために、かえって攻撃のチャンスが増えたのは皮肉だった。
ちょっと、レネ監督時代のセレッソ、その勝ちパターンの試合を思い出した。

ところで、レーハーゲル監督のアクションに解説を付けたら面白そう。
未然に防いだピンチのシーンで、なんであんなに怒っているんだろう。