『犬儒派だもの』

呉智英犬儒派だもの』双葉社、2003年3月20日ISBN:4575295248

「須く〜べし」の誤用はもはや持ちネタ。
と言うより、それでもあとをたたない誤用の方が情けない。
そういう人が伝統重視を説いていたりすることがもっと恥ずかしい。

そんなことより、この本には特別に魅力的な人物が2人登場する。
1人は[はじめに]のディオゲネス
もう1人は水木しげる
著者は、学生時代にアシスタントとして働いて以来、30年以上水木しげるを見てきた。
そうして知った数々の逸話のエッセンスを披露してくれている。
それを読む私も、笑い転げながら水木しげるを好きになってしまう。
ところが意外なことに、女性には彼の魅力が通じないらしい。
そうすると、ひょっとして呉智英の魅力も、ディオゲネスの魅力すらも女性には通じないのか?
それはつまらない。
女性のみなさん、そういうのはつまらないですよ。
いや、わからない人はしょうがない。
せめて、それがわかる人とお知りあいになりたいし、つきあいたいと私は思う。