セレッソvs市原(生観戦)。

セレッソ 3-0 市原(公式
スコアだけ見れば完勝。内容はむしろ劣勢。違いはストライカー。

セレッソは新加入の大森をさっそく左SBに起用。
布部がDHに入り、中盤の底を久藤と横並びで守る形に。
濱田はベンチ・スタート。
(ついでに斉藤竜は売店要員に。つらかろうに一所懸命やってました。また使ってもらえるように頑張ってな)。
GKは前節までの羽田に代えて伊藤。
攻撃陣は変わらず。
OHの左に古橋、右にモリシ。FWはアキとヨシトの2トップ。
今までより後ろに重心を置いた布陣。

市原は、2トップの1人を左サイド(セレッソ右サイド)に張り出させる変則的な布陣で攻めてきた。
左サイドの村井とサンドロもしくはマルキーニョスのコンビネーションでサイドから崩してくる。
ボールと反対サイドのマークが甘くなるセレッソ守備の弱点を効果的に狙っていた。
守りはセレッソの2トップに対して3バック。
茶野がヨシトにマン・ツー・マンで付き、阿部がリベロで、守備の指示役&バランサー。

試合は立ち上がりから市原ペース。
市原の攻撃に対してセレッソ守備陣が対応しきれず、再三ピンチを迎える。
失点しなかったのは、市原のシュート精度が低かったおかげ。(シュート数はセレッソの8に対して、市原が18)。
セレッソはGKとDF陣との連携が悪く、間のスペースに来たボールの処理が危なっかしい。
伊藤が指示を出していないのか、出しているのに届いていないのかは分からないが、GKがゴール・エリア(ペナルティ・エリアではなく)からほとんど出ようとしないのでは、ラインを上げる守り方には合わない。(全員が―たぶん市原の選手たちも―GKのボールだと判断した、ペナルティ・スポット付近で高々と上がったボールを、ゴール・エリアから眺めていて、みんなから叱られてた。あんたは下川かい?多田はどこへ行った?)
背後に生まれた不安のせいか、DF陣にも迷いが見えた。
・マークを受け渡すのか、そのまま付いていくのか。
・マークを捨ててラインを上げるのか、ラインを上げずにマークを掴むのか。
意思が統一されていない場面が何度もあった。
・新しい選手が入ったこと。
・ポジションとシステムの変更。
そういう事情はあるが、
・具体的な場面での優先順位を全員で明確にする。
・チーム全体の約束事を細部まで詰めていく。
・個人間の連携を高める。
これは今後も課題。

劣勢の中セレッソは決定機をほとんど作れなかったが、数少ないチャンスを大久保が決めて、2点リードで前半終了。
特に1点目は、大久保以外の誰も決められないような見事なゴール。
反転の速さ、シュートまでの早さ、それに左足で決めたこと。どれも素晴らしい。
マークに付いていた茶野を責めるのは酷だろう。

後半に入って、セレッソの守備が修正できてきた。
「自分の仕事をちゃんとやろう。それでも失点したら、それはもう自分の責任じゃない」と開き直ったのかどうかは知らないが、一人一人が自分の仕事をきっちりと果たすようになった。
市原が林を入れて3トップ気味に攻めてきたのにも、慌てず対応していた。
防戦一方になってもずるずる下がらず、前から厳しく守っていた。
ただし、セットプレイからのカウンターに対する守備にはアヤシイところがまだある。

市原は、前線にかける人数を増やし攻勢に出た時間帯に、単純なミスでボールを何度も失い、勢いが殺がれたのが痛かった。
前節素晴らしい試合をしたそうなのに、ぜんぜん元気がなかった。
誰一人目立った選手がいなかった。
ベストメンバーでなかったことを割り引いても、大阪の蒸し暑さにやられたとしか思えない。

3点取ったから目立たないものの、セレッソの今日の攻撃は物足らなかった。
後ろに重心がかかると、当然攻めに厚みがなくなる。
今日はヨシトが爆発してくれたし、アキのポスト・プレイも機能していたからいいけど、けど……。
久藤が前に行くと、嫌なボールの取られ方をしてカウンターを喰らうことが多くなるし。
さらに守備が強化されたスーパー・ハマちゃん希望。

大森は無難なプレイ。
無難ということは、今まであった大きな穴を塞いでくれたということ。
加入後いきなりの試合出場ということで心配された連携もまずまずだった。
1部で通用する守備を作ろうとして、普通のことを当たり前にできるようになろうとしているのが今のセレッソ
だからレベルがちょうど合うのかもしれない。
今日は攻撃よりも守備が主になったが、これからもそうなると思う。
よろしくお願いします。

布部は今日も布部だった。
やっぱりボールしか見えてない瞬間が何度も。
ボールしか見えていなければ、ポジショニングに難があるのも当然か。
次のプレイを予測できないのも当然か。
さらに気合を入れて頑張るのだろうけど、ますます視野狭窄に陥らないように願ってる。
かつてのセレッソボランチ受難のチームだった。
上がったっきりの攻撃陣とずるずる下がる守備陣の間にできた広大なスペースを好きなように使われ、ひたすら引き摺りまわされる役だった。
今は違う。もう言い訳はできないよ。

観客動員数は6千人ぐらい+たくさんのチビッコと引率者の方々(推定)。
それぞれのチーム・ユニに身を包んだチビッコたちによって色とりどりに塗り分けられたバックスタンドは非常にきれいでした(=皮肉。あんなにたくさん招待するぐらいなら、数を減らしてでもピンク色のグッズを用意しようよ)。
ごったがえしたコンコースでフェイントの練習をしながら走り回る未来のJリーガーたち。どんな時もサッカーの練習を忘れないことが大切だね(=皮肉)。

最後に、今日の主審は柏原さん。
ヘタ。
ヨシトへの警告の後、市原ボールで試合を再開したのは謎。
一部の特殊な審判ほどひどくないけど、アドバンテージの取り方をもうちょっと勉強してくださいな。